2007年10月
2007年10月26日
事故情報扱い改めず 過払い返還請求で貸金業者
消費者金融利用者の与信審査に利用される個人信用情報機関「全国信用情報センター連合会」(全情連、東京)が、利息制限法の上限金利(年20%)を超えた返済金(過払い金)を返還請求した債権者について、現在も「延滞」「債務整理」などの事故情報として登録していることが25日、分かった。仙台地裁で続いている過払い金返還訴訟で、原告の男性が入手した全情連の信用情報記録開示書で明らかになった。
事故情報登録は、債務者が貸金業者とトラブルになっている印象を与え、与信審査で不利益を被る恐れがあるため、全情連は9月から、過払い金分の事故情報登録をやめる方針を業者に通知していた。
全情連は「業者は新規分は方針通りに登録している。過去分は順次切り替えているが件数が多く、一斉の更新は不可能だ」と説明しているが、原告側は「通知が守られず、今も信用が傷ついている」と批判している。
全情連は従来、弁護士が介在した過払い金返還請求を、事故情報の一つで返済遅延や自己破産などと同じ区分の「債務整理」と登録していた。
昨年1月の最高裁判決で、利息制限法と出資法の上限(年29.2%)間の「グレーゾーン金利」が事実上無効とされたほか、将来的にグレーゾーン金利をなくす貸金業規制法の改正もあり、過払い金返還請求について「契約見直し」という項目を新設。9月から債務整理と区別する方針を全国33の個人信用情報センターを通じて加盟金融業者に通知していた。
10月26日 河北新報
事故情報登録は、債務者が貸金業者とトラブルになっている印象を与え、与信審査で不利益を被る恐れがあるため、全情連は9月から、過払い金分の事故情報登録をやめる方針を業者に通知していた。
全情連は「業者は新規分は方針通りに登録している。過去分は順次切り替えているが件数が多く、一斉の更新は不可能だ」と説明しているが、原告側は「通知が守られず、今も信用が傷ついている」と批判している。
全情連は従来、弁護士が介在した過払い金返還請求を、事故情報の一つで返済遅延や自己破産などと同じ区分の「債務整理」と登録していた。
昨年1月の最高裁判決で、利息制限法と出資法の上限(年29.2%)間の「グレーゾーン金利」が事実上無効とされたほか、将来的にグレーゾーン金利をなくす貸金業規制法の改正もあり、過払い金返還請求について「契約見直し」という項目を新設。9月から債務整理と区別する方針を全国33の個人信用情報センターを通じて加盟金融業者に通知していた。
10月26日 河北新報
クレジット、年収200万なのに契約1385万、女性自殺
東北地方の小さな町で50代の女性が海に身を投げた。死後、自宅から総額約1385万円のクレジット契約書と封も切られていない大量の呉服が見つかった。契約は支払い能力をはるかに超え、返済に窮した女性はうつ病を発症していた。
「質素な母がなぜこんな買い物をしなければならなかったのか。(支払い能力の)審査がずさんでなければ、母は死なずに済んだはず」。
大手クレジット会社の過剰与信に追い込まれた果ての死を、息子らは悔やむ。
女性は夫と小さな商店を営んできた。自殺後、バッグから33件の分割払い契約書が見つかり、押し入れには帯封が切られていない着物や値札がついたままのバッグが多数残されていた。契約は9年前に始まり、間が2日しかないものも。約1000万円分がオリエントコーポレーション(オリコ、本社東京都千代田区)との契約だった。「必ず記入」とある年収やローン残高が空欄のものが多かった。
世帯の年収は約200万円。支払いは月十数万円まで膨らみ、女性はなけなしの定期預金40万円を解約し、銀行のカードでキャッシングを繰り返しては返済に充てた。
割賦販売法はクレジット会社に対し、個人信用情報会社に顧客の取引履歴を照会するなどして支払い能力を超える契約をしないよう定めている。同法改正に取り組む日弁連消費者問題対策委員会の道尻豊弁護士は「オリコ1社だけでこれだけ高額の契約をするのは異常。初めから支払い能力を審査する気があったかさえ疑われる」と指摘する。
遺族はオリコの審査がずさんとして、残額の支払いを拒否し、既払い分の返還も求めている。オリコ広報・宣伝部は毎日新聞の取材に「示談交渉中で、コメントは差し控えたい」としている。
10月26日 毎日新聞
「質素な母がなぜこんな買い物をしなければならなかったのか。(支払い能力の)審査がずさんでなければ、母は死なずに済んだはず」。
大手クレジット会社の過剰与信に追い込まれた果ての死を、息子らは悔やむ。
女性は夫と小さな商店を営んできた。自殺後、バッグから33件の分割払い契約書が見つかり、押し入れには帯封が切られていない着物や値札がついたままのバッグが多数残されていた。契約は9年前に始まり、間が2日しかないものも。約1000万円分がオリエントコーポレーション(オリコ、本社東京都千代田区)との契約だった。「必ず記入」とある年収やローン残高が空欄のものが多かった。
世帯の年収は約200万円。支払いは月十数万円まで膨らみ、女性はなけなしの定期預金40万円を解約し、銀行のカードでキャッシングを繰り返しては返済に充てた。
割賦販売法はクレジット会社に対し、個人信用情報会社に顧客の取引履歴を照会するなどして支払い能力を超える契約をしないよう定めている。同法改正に取り組む日弁連消費者問題対策委員会の道尻豊弁護士は「オリコ1社だけでこれだけ高額の契約をするのは異常。初めから支払い能力を審査する気があったかさえ疑われる」と指摘する。
遺族はオリコの審査がずさんとして、残額の支払いを拒否し、既払い分の返還も求めている。オリコ広報・宣伝部は毎日新聞の取材に「示談交渉中で、コメントは差し控えたい」としている。
10月26日 毎日新聞