2005年05月14日

盗難カード、金融機関が原則5割補償…研究会案発表

金融庁の「偽造キャッシュカード問題に関する研究会」(座長・岩原紳作東大教授)は13日、盗難カード被害の救済策に関する第二次中間とりまとめを発表した。

原則として預金者と金融機関が損害を50%ずつ負担するとした。金融庁は全国銀行協会などにこの案に基づいた補償ルール作りを求める方針だが、自民党はさらに手厚く補償する法制化を目指しており、最終的な被害救済策が固まるにはまだ時間がかかりそうだ。

金融庁研究会の案は、預金者の過失の度合いを過失なし、軽過失、重過失の3段階に分けた。軽い過失としては暗証番号を生年月日としていた場合、重い過失としては暗証番号をカードに書き込んでいた場合などを想定している。

盗難カード被害は、いったんはすべて預金者に軽い過失があったとして、金融機関は被害額の5割を補償することを原則とする。その上で預金者が自分の過失がないことを合理的に説明できれば金融機関が全額補償し、預金者に重大な過失があったことを金融機関が立証した場合は補償しない。

補償の対象期間は届け出時からさかのぼって「48時間」と「10日間」の両論を併記した。紛失したカードによる被害も盗難と同様の補償対象としている。

原則として金融機関が全額を補償し、免責の立証責任が金融機関側にある偽造カードによる被害より、補償の範囲は狭くなった。実際にはまったく過失がないケースは少ないため、金融庁は「大半は5割補償になるとみられる」(遠藤俊英・監督局参事官)としている。

ただ、盗難カードでも原則補償が制度化されれば、金融機関は今後、現金自動預け払い機(ATM)の引き出し限度額を引き下げるなどの動きに出るとみられ、預金者の利便性が低下するおそれもある。

一方、自民党は13日、偽造・盗難キャッシュカード問題に関する小委員会(小委員長・江崎洋一郎衆院議員)を開き、16日にも「偽造・盗難カード預貯金者保護法案」(仮称)をまとめる方針を確認した。

今国会での成立を目指す。同法案は盗難カード被害の補償を金融庁案より手厚くし、〈1〉金融機関が預金者の過失を立証できない限り全額補償する〈2〉軽度の過失があった場合は7割程度を補償する――案が浮上している。
(読売新聞)
anzenbanks at 20:57│Comments(0)TrackBack(0)全銀協 

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