2006年07月26日

日本生命、不正事務手続きで業務改善命令 金融庁

金融庁は26日、生命保険業界最大手の日本生命保険に対し、業務改善命令を出した。同社の保険金支払担当者が過去9年間にわたって不正な事務手続きを行っていたことが分かり、再発防止と責任の所在明確化などを求めた。

不正を行ったのは、大阪本社勤務の男性社員で、書類を改ざんするなどして、本来解除できない保険契約を解除したり、加入者に支払う利息を不正に減額していた。金融庁は不正を防止できなかった日生の管理体制上の欠陥を問題視し、抜本的な改善を求めている。

金融庁によると、保険契約者が過去の病歴を隠すなどの告知義務違反をした場合、保険会社は違反発覚後1カ月以内に限り契約解除ができるが、男性社員は書類上の発覚日を改ざんするなどして、1カ月を超えている場合でも解除していた。不正解除は97〜05年の間に約105件あった。日生は不正解除契約の復活を求められ、保険金を支払った例が29件、総額2億429万円あったという。

またこの社員は、保険金の支払いが一定期限より遅れた場合に会社側が契約者に支払う「遅延利息」についても期限日を改ざんするなどして、303件、計55万3000円分を不正に減額していた。遅延利息金の不正減額は、この社員以外の支払担当者18人も行っており、35件、3万2000円分に及んでいた。

昨年6月に契約者から同社に苦情があり、不正が発覚した。この男性社員は16年間同じ業務を担当し、上司によるチェックも事実上行われていなかったといい、金融庁は「支払い部門に適切な人員配置が行われておらず、経営陣の把握も不十分」と指摘している。
(毎日新聞) 7月26日
anzenbanks at 21:51│生命保険 
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